とにかく格安でスクーターが欲しいなと思って、でも原付一種は嫌だし、中古も嫌でした。
それで新車でリーズナブルなアドレス110を買いました。
乗ってみて良かったは良かったのですが、スクーターって自分には相性が悪いんだなと正直感じちゃって、つまらなくなりました。
面白さを求めるならやっぱりマニュアルだなということで、そのうちお金を貯めてちゃんとしたバイクを買うとして、アドレスは買取してもらいました。
予想よりも買取価格が安かったアドレス110・・・
買取先を見つけて、店舗まで査定してもらいに行きました。
そこはスクーターも多く取り扱っているバイク屋だったので、高く買取してくれるだろうと思い期待していましたが、それだけに少し残念でした。
決して安すぎることはなかったのですが、もうちょっと金額は上だろうと期待を下回っていたのです。
しかし、お店側にも相場があるようで、これが一般的と言われてしまえばもう何も言えませんでした。
「他でも同じくらいですかね?」
「絶対とは言えませんが、相場は大体同じですから」
そういわれて、なら他に持っていっても同じかと、ここで売ってしまうかと悩み、しかしやっぱり安いと思うならしばらく乗り続けるかとも考えました。
でも、乗れば走行距離が嵩むので売値はどんどん下がっていくだけ、そう考えれば売ったほうがと、ぐるぐる思考がまわり、「ちょっと考えます」と店員に言っては店内を歩き回っていました。
知らない人にアドレス110の個人売買を持ちかけられる
そうやって数十分店内をうろちょろしていたら、知らないおじさんに声をかけられました。
「お兄さん、あのアドレス110、いくらで買取するって言ってた?」
「え? あぁ、えっと……」
急に声をかけられて驚きましたが、金額を伝えました。
すると、「そうか。それならさ、私が直接もっと高く買うから、個人売買しないかい?」と、まさかのバイク屋で直交渉を持ちかけてきました。
その値段はお店の買取額のプラス2万円でした。
僕とすればお店より高く売れてラッキーですし、おじさんとしても格安で買えるので、双方に損のない話です。
しかし急に知らない人に声をかけられバイクを売るというのは不安もあって、どうしたものかと臆病になってしまいました。
それでもおじさんは「得なんだからいいじゃないか」と誘ってきて、それを店員が気付いたんでしょうね。
「申し訳ありませんが店内でのそういったお話は……」と水を差しました。
手間を考えると面倒だしお店に売ろう
その後、おじさんは気まずそうに店内から出ていき、結局僕はといえば、お店が提示した査定額で納得して売ることにしました。
なんだか迷惑をかけたかもと思ってのこともありました。
おじさんに売っていれば2万円得したかもしれませんが、知らない人と手続きしたりという手間と不安を考えれば、2万円プラスのかいはないかなとも思いました。
ともあれ、こういう展開はそうそうないだろうから、面白かったです。